PFIを紐解く

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PFIの事業期間の延長について

PFI事業において、様々な理由から事業期間の延長を検討したいという相談を受けることがあります。コロナ禍の影響を受けて、独立採算型事業で一定期間収益をあげることができなくなった場合等にこれを検討することもあるようです。

PFIにおける事業期間の延長はどのように考えれば良いのでしょうか。

 

【法的規制】

PFI法をはじめとして、事業期間の延長を制限する法律は特にないため、当事者間の合意により事業契約の期間を延長すること自体、法律上、否定されるものではないといえます。

 

【その他ガイドライン等】

PFI基本方針(p2)では、「特定事業の選定及び民間事業者の選定においては公平性が担保され(公平性原則)、特定事業の発案から終結に至る全過程を通じて透明性が確保されねばならない(透明性原則)」とされています。

そのため、事業契約の延長を検討する場合、公平性や透明性を害しないように気を付けなければなりません。この点は管理者側の判断となりますが、きちんと対応しようとした場合には難しい問題だと思います。

※ PFI基本方針は、国のPFI事業について主として定めるものですが、地方公共団体においてもこれを参考にすることとされています。

 

【留意点】
  • PFI基本方針の考え方を基にすると、事業契約の期間延長を検討する場合には、他の事業者との公平性や手続き全体の透明性に気を付けなければならず、期間延長以外の方法も含めて慎重に検討する必要があると考えられます。
  • 上記は全てコンセッション以外のPFIの話です。コンセッションの場合は運営権の存続期間を考慮した検討が必要となります。

 

【事例】

事業期間の延長をしている事例を1つ紹介しておきます。

横浜市下水道局改良土プラント増設・運営事業
→当初、事業期間が15年9か月の予定で、5年延長。

参考:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kasen-gesuido/gesuido/torikumi/PFI/kairyodo/gaiyou.html